富山大学COC+地域課題解決科目講義レポート

地域再生論演習

取材日:2017年月11月22日

11月22日、魚津市役所において「地域再生論演習」の実地調査を実施。経済学部の2・3・4年生12名が、観光や教育などのテーマごとに同市役所職員と質疑応答を行い、魚津市の現状について理解を深めた。
 学生たちはA、B、Cと三つのグループに分かれ、同市職員と2度にわたって意見交換を行った。商工観光課の担当者は「飲食店の活性化、イベント」というテーマで「魚津市はかつて、人口に占める飲食店の数が日本一だったこともある。現在は、ミシュランをもじって『UO!CHELIN(魚シュラン)』と名付け、おすすめの飲食店を紹介する取り組みなどを進めている」と紹介。Aグループの学生からは「居酒屋が企画したツアーで酒蔵を巡るなどの催しはどうか?」などの意見が挙がった。

 学校教育課の担当者は、Bグループの学生と懇談。「ふるさと教育について」というテーマで「魚津市内にはリンゴ、ナシなどさまざまな産地があり、小学生は地元の生産者と交流している。遠足ではかまぼこづくりを体験するなどの機会もある」と述べた。

 生涯学習・スポーツ課の担当者はCグループの学生を前に、「魚津のタテモン行事」を含む国指定重要無形民俗文化財33件が「山・鉾・屋台行事」としてユネスコ無形文化遺産に登録されていることを解説。参加・体験型のイベントに力を入れていると述べた。






 

休憩を挟んだ後、質疑応答を受ける魚津市職員が交代した。新たに加わった同市観光協会の担当者は「飲食店の概要と活性化」というテーマでAグループの学生と懇談した。職員は「どういう店でお酒を飲むのか?」と質問、学生が「居酒屋が多い」と答えると、「魚津の駅前はチェーン店がなく、地元の店が頑張っている」などと現状を伝えた。

 また、新たに加わった総務課の職員はBグループの学生を前に、「公共施設の適正配置について」というテーマで情報を提供した。スポーツ施設や保育所の数などについて紹介し、来年4月に大町、村木、上野方、本江の四つの小学校が「よつば小」に統合されることなどを伝えた。

 商工観光課の担当者はCグループの学生とも意見交換し、SNSを地域活性化にどう役立てていくかが課題であると述べ、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどの利用状況について学生の声に耳を傾けた。学生からは「魚津市の職員の皆さんは観光の目玉がないと苦しんでいるようだ。インスタを充実させていけば、若者や外国人の関心を集めることができるのではないか」という意見が挙がった。

 企画総務部企画政策課地域資源推進班の前田久則さんは「まだ1回目のヒアリングなので、今後は精度を高めていってほしい。学生さんには魚津市を外から見ていただき、職員や市民が気づかない部分にスポットを当ててほしい」とアピールした。

 富山大学COC+連携推進コーディネーターの定村誠特命助教は「学生たちがざっくり決めていたテーマは今後、絞られていくだろう」と今後の学生の取組に期待を寄せた。今後、学生は調査を重ねて地域の課題を解決する提案をまとめ、来年2月に発表する予定になっている。